蛙声

12月13日

踏切の赤灯やコンビニの灯りが後ろへ飛んでいく。
車窓から見る景色は認識する側から消えていく。
座席の下からは暖かい空気が吹き出し、太ももを温める。
知らない駅を何度も過ぎていく。
過ぎた明かりたち覚えていられない。
川沿いに人が立っていた気がするがそれも過ぎた。
イヤホンの向こうから聞こえる微かな走行音の肌触りを確かめる。

12月6日

共用廊下に響く足音を聞いていたら夜になっていた。
明日君が来る。
雨が降り、道路は小さな川になる。
落ち葉は側溝に流れ、三角州に溜まっていく。
そこから見える街の明かりは昨日と何も変わらないらしい。